仕事を専門家に依頼にする にあたっての心得

被災者のみなさんが事業などを復興させるために重要なことの一つに外部の専門家からの助言があります。この点について理解する必要がある内容に関してご説明します。まずは最初に要点。

  • 災害時及び復興時の混乱時には、自力だけの復興は難しい場合がある。
  • 被災者、行政担当者ともに未経験の事例が多く混乱が生じる。
  • これらの状況を改善するためには行政書士など外部の経験者に頼るべきだろう。
  • 一旦契約を締結したら行政との交渉はすべて受託者を通して行うことを基本とする。
  • 情報をやり取りできるインターネットの技術などを依頼者も勉強する必要がある。

専門家を通しての課題解決の依頼方法

地方では、住民の方々が専門家に対して「課題」 の解決を依頼するという事は少ないので、専門家を 活用して「課題解決」を行うにあたっての注意事項 を説明します。 よく読んで、理解して、皆様の「課題」が解決に 向かい「なりわい」がうまく行き、「生活」が向上 しますように、ご活用ください。

課題とは

売り上げが減少している等のマイナスの解決し なければならないこと、新商品を開発する等のプ ラスの前向きに物事を進めるために解決しなけれ ばならないことを「課題」と表現しています。 個々の「課題」を解決することにより、事業及 び生活の状態が良くなるため、「課題」の解決を 支援の目的とします。

課題を解決するためには

課題解決に向けてのアドバイスによる支援

災害時などにおける課題解決は、基本的にイレギュラーな状況であることから、普段の課題解決よりも難しい場合が存在します。一般的な対処法とは異なり、様々な専門知識も必要であるために、状況把握すら難しい状況になりますが、その際の状況打破の方法が専門家による助言です。

ノウハ ウ(知識・やり方)を専門家から教わる事により「できない」こと が「できる」ようになり、自分で課題が解決できるようになります。

 課題解決の作業を引き受ける事による支援

また、難しい課題・一回限りの単発の課題等であれば、他人に 「他人に解決してもらった」方が良い場合もあります。

アドバイスと作業依頼の違い

アドバイスを受けて「自分で課題」を解決する能力を身に着けた方 が、後々、同じような課題に直面した場合に役に立つかもしれません。 また、アドバイスで解決する方が作業を依頼するよりも一般的に安値 です。アドバイスで解決するのであれば、アドバイスでの解決が好ましいです。

しかし「何日までに完了しなければならないという期日がある」、 「確実に課題を解決したい」、「課題が特殊で難しく頻発しないので 依頼して解決して欲しい」、「慣れていないので最初はお願いしたい」、「他で儲かっているのでお金払うので対応して欲しい」等の理由があれば、作業を依頼した方が良い場合もあります。

作業依頼の仕方

行政書士に仕事を依頼する事は、口約束 ではできません。何故ならば、口約束では 「その内容及び範囲を明確にして事件を受 任」したことにはならないからです。 また、受任するにあたり「事件の受任に 際して、依頼者に対し、事案の難易、時間 及び労力その他の事情に照らして、適正か つ妥当な報酬を提示」することが求められ ます。 作業内容及び範囲・報酬を決める事によ り、受任の為の契約が執り行う事が出来ま す。そして、受任した順序でもって速やか に「手続き」を実施する事となります。

責任範囲

アドバイスの場合には、助言した内容に「間違いがなく」、課題解決に「十分 な情報」を提供しており、相談している時間、適切に指導していれば、結果とし て、本人が自分での解決に失敗したとしても専門家の責任にはなりません。

あくまで も一定時間労働して「情報提供」したことによる報酬であり、アドバイスを実行 する、実行しなかったとしても、相談した方の自由であり、その相談に対しての アドバイスを「した」のであれば、相談者が例え「課題解決をできなくても」、 知識を伝授したのであれば意味があったと判断できます。

また、必要であれば、結果 が悪ければ、再度同一の専門家に「アドバイス」を求めて、再チャレンジする事 も可能ですし、別の専門家に相談して、別の視点からの「アドバイス」を貰っ ても構いません。

それに対して、作業依頼(委任)であれば、執行に関する責任は専門家にある為、専門 家の指示に従って依頼者が提供すべき「情報」「資料」等を提出したのであれば、 仕事の結果に対して責任を負う事になる。すなわち、課題の難易度・成否によっ て、着手金(課題の解決の如何を問わず負担する金額)と成功報酬という支払い 方が発生してきます。

専門家に任せる事の意味

専門家(プロフェッショナル)の特徴として、

  • その職 に従事する準備段階において、一般の職業とは異なる高度 に専門化した長期の教育研究と濃密な技能訓練が施され る。
  • 厳格な資格試験の合格が求められ、合格者は資格 登録が行われる。無資格者をその業務から排除する業務 独占が認められている。
  • 高い職業倫理に裏打ちされ、 かつ依頼者との信頼関係に基づいた高度に専門的な判断が 求められる。
  • 同種の職業資格保有者が団体を形成し、 職業倫理の保持に努めている。

等の特徴があげられる。 行政書士は、いずれの条件にも当てはまる専門家(プロフェッショナル)です。

専門家との契約

民法は、役務提供を目的とする契約として、「雇用」「請 負」「委任」の三つの類型を規定しています。

  • 「雇用」とは労働者が使用者に対して労務を提供する契約 であり、使用者の指揮命令を受ける。
  • 「請負」とは注文者の依頼を受けた仕事を完成する契約で あり、一般的指揮監督関係に入らず「事業主」として独立し て仕事を完成させます。
  • 「委任」とは、当事者の一方が相手方に、代理行為や委任 を受けた事務(業務)の処理を目的として、法律行為を委託 する契約を指しています。

行政書士との契約は「委任」になります。

代理とは

本人に代って代理人が法律行為を行い,その結果あたかも本人自身 が法律行為をしたのと同様の効果を生じさせる制度をいいます。

取引形態 が複雑かつ専門化している現代経済社会では,信頼できる他人に代り に取引してもらう意義は大きく、私的自治の拡張機能としてこの代理 制度は重要な役割を果しています。

また、近代法はすべての自然人に権利能力を認めているが、現実問 題として年少者や認知症の高齢者のように取引を行えるだけの十分な 判断能力を持たない者も存在します。

そこで、それら社会的弱者に代わって他人に法律行為を行わせることが要請され、 行政書士は「本人」にかわって代理人として各種行政手続きを本人の為に実施します。その行政手続きの効果は本人に帰属します

 契約締結

行政書士業務受任に関する諸々の内 容が相互に合意して決まり、契約書が 完成したら、署名・押印をして契約成 立(受任)となります。ここからが仕事としてのスタートです。

 仕事の進め方

依頼人が業務の成果・内容について一定の指図をするとしても、業務遂行の方法は専門家の 裁量に委ねられます。

すなわち、専門家の働き方 としては、相当の裁量をもって独立して業務を遂行することが原則です。 知識・経験の乏しい依頼者の為に業務遂行を 行うわけで、その業務の進め方に関しては、信用して任せて頂く形で仕事を行う事になり厳格な資格制度となっています。

復興支援作業を専門家(今回の場合は行政書士)に依頼する時の心得のまとめ

自然災害等から復興を目指す事業者の皆さんの場合、自力だけでは限界があることを理解する必要があるでしょう。このため経験のある行政書士や復興のアドバイザーを探し出し、専門家の意見を参考しながら事業計画や今後の方針を決めていくというのが有効であると考えます。

経験のない事を進めるには時間と労力がかかり、その割に成果物のレベルが低いという状況が生まれるかも知れません。

その際に気をつけていただきいのは、専門家の皆さんとの間での情報共有の重要性です。一旦委任契約を締結したらできるだけ詳細に状況を報告し、お互いが納得した上で次の行動を起こす必要があります。

現代ではインターネットを利用した情報共有が可能な時代になりましたので、依頼する側に於いても、そういったスキルが重要です。

 

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